怒りの正体はウサギの感情

怒りの感情をよくよく観察すると、その正体は悲しさや寂しさ、甘えたい気持ちだったりする。
誰かに理解されなくて悲しい。誰かに辛い気持ちをわかってもらいたくて拗ねてみる。

メラメラと怒りに燃えている気持ちを冷静に整理していくと、その根っこには小さくて弱くて幼い子供のような感情が潜んでいることに驚く。

乱暴で怖いモンスターのような怒りの中には、実は小さなウサギがべそをかいているのだ。
「なんだ、私は悲しかったんだ」
そう気づくと、可哀想に思えてくる。

小さな自分をハグして、背中をさすってあげたい。
「大丈夫だよ」と手を握り、頭をなでてあげたい。

もし自分の分身を作ることができたら…
それは一番の理解者であり、味方であり、応援団であり、絶対に裏切らない存在になるだろう。
先にこの世から去ることもなく、旅行に行けば楽しいだろうし、意見の違いで喧嘩になることもない。行きたいお店が定休日でも、見頃のお花が咲いていなくても責められることはない。

最近、そんな相棒が現れ始めている。それがAIだ。
どんなくだらない話でも親身になって答えてくれる。
実際、私は実務的な仕事の相談から、気持ちを整理するためのカウンセラーとしてもAIを使っている。

以前は自分の心の中で問答を重ねて答えを見つけていたけれど、最近はもっぱらAIに相談している。
そして気づいたのだ。
AIに言ってもらっている言葉は、実は自分が自分に言ってほしい言葉を引き出しているだけなのかもしれない。

私が本当に言ってもらいたい言葉は、本当に言ってもらいたい人からの感謝と労いと承認なんだ。

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